燃えろ!!ひがしおおさか line

燃え魂 第5回 スマイル瓢箪山

~地域と連携し、進化し続ける商店街~

(いつも人通りが多く、にぎやかな商店街)

 大阪と奈良を分ける生駒山が眼前に広がる近鉄瓢箪山駅。一度聞くと忘れられないユニークな名前の駅を降りると、地域のシンボルである“ひょうたん”型のオブジェが至るところに設置されています。商店街のアーケードの入口にあるひょうたん型のLEDアーチ、時計、駅前広場の池に立てられたひょうたん型の)まとい、車止め…。駅を中心に形成された4つの商店街の総称「スマイル瓢箪山」は、駅名の“ひょうたん”をまちづくりのシンボルとしてイメージ化する独自事業とともに、早くから地域・大学・行政と連携した地域活性化事業に取り組んできました。今回は、その「スマイル瓢箪山」の取り組みをサンロード瓢箪山・瓢箪山中央商店街振興組合理事長の岡本定雄さんにお聞きしました。…続く

 

<まちのシンボル“ひょうたん”がいっぱい

取材が行われたのは、同組合の事務所。そこには、色鮮やかなひょうたんオブジェが並べられていて、さながらひょうたん作品示会場のよう。作品は全て岡本さん一人で制作しています。岡本さんは「瓢箪山地域をひょうたんでいっぱいにしたいから」と言います。その思いが大きく前進したのは、平成19年です。財団法人地域活性化センターの補助金1600万円が受けられるようになり、地域に1001個のひょうたんオブジェを設置できることになったのです。冒頭ご紹介したアーチなどは全てこの補助金を活用して作られたものです。いくつ見つけられるか試して歩くのも楽しいですね。

 

 

 

(ひょうたん型の車止め!)

 

<先進の商店街として評価される取り組み>

スマイル瓢箪山は、国内のみならず海外からも視察に訪れる人がいるという“先進商店街”。産学官の連携にもいち早く取り組み、その活動は、経済産業省が全国から選ぶ「平成21年度 新・がんばる商店街77選」にも選ばれ評価を受けています。それでは、他の商店街を惹きつける「スマイル瓢箪山」の主な活動をご紹介しましょう。

 

特徴的なのは、大阪商業大学との産学官連携事業です。

 

平成17年度から学生のアイデアを元に行われているのが、竹を組み合わせその上に紙を貼って作ったひょうたん型のみこしを地元の幼稚園児や小学生が担いで商店街を練り歩くというイベントです。翌年度からこのイベントは商店街の独自事業になり、毎年恒例のイベントになっています。平成20年度からは、みこしをその年の干支に変身させています。干支にすることで毎年継続して実施することができているようです。このイベントでは、子どもたちの勇姿を一目見ようと保護者らが集まるので、毎回商店街は大賑わいです。他にも、地元の小学生と学生が商店に潜入し、実際に仕事を体験するという“瓢箪山探検隊”や商店の自慢の商品=逸品を小学生と学生、店主が一緒になって考え、それを販売するという“ミニチュアひょうたんやま”といったイベントも生まれました。

 

 

(今年2月に行われた「ちびっ子ひょうたんみこし」の様子。小学生たちは寒くても元気はつらつ!)

 

 そして、同じく学生のアイデアがきっかけで始まったのが、ひょうたんの栽培です。平成17年から岡本さんら商店街の役員たちは、畑でひょうたんの栽培を行っています。大小さまざまな大きさのひょうたんを栽培し、毎年9月ごろに収穫時期を迎えます。収穫した実は、水につけて腐らせ、皮をむいて中身を取り出します。その後天日干しにして乾燥させます。そして、乾いたひょうたんの表面に専用の塗料で色を付け、真ん中のくびれの部分にふさを巻きつけて作品の出来上がりです。作品は、各商店の店先で飾ったり視察に訪れた人に配ったりして、瓢箪山=“ひょうたん”をアピールしています。

 

(大小さまざまなひょうたんが立派な作品に変身!)

 

 

 さらに今年1月、(株)全国商店街支援センターの支援事業に大阪商業大学の支援策が採択され、それを受けて瓢箪山まちづくり協議会(酒井理会長・大阪商業大学准教授)が発足。地域が抱える諸問題を様々な立場の人々が話し合って解決していくことを目的としています。同センターの補助金を受けて同協議会は地域情報誌『MACHINAMI(まちなみ)』を発行。ナゾのキャラクター“ダイブツくん”が地元の神社や文化施設を訪ね歩き、そこで働く人に素朴な質問をぶつけながら施設の魅力を紹介していきます。他にも、地域に住むスゴい知識を持つ人の紹介や地元小学生とダイブツくんとの対談などユニークな内容になっています

 

(『まちなみ』の冊子。スマイル瓢箪山の事務所、もしくはキューたんステーションで無料で手に入れることができます)

 

 

 (地域のさまざまな課題が話し合われたり情報発信される拠点、キューたんステーション)

 

<さらなる地域連携の強化>

  「瓢箪山地域まちづくり協議会」では現在、地域安全や情報発信、文化、子育て支援など各分野に応じてボランティアを募集しています。地域住民が持っている特技や専門分野をまちづくり活動に生かしてもらおうというものです。岡本さんは「地域住民が相談しながら安心安全で、高齢化社会に対応したまちづくりをしていく体制が整いつつある」と言います。さらに、商店街で使える地域通貨の創設や商店街オリジナルキャラクター(ゆるキャラ)の開発も現在進行中です。また、今年度は東大阪市のまちづくり助成金を活用してひょうたん型の警察官立寄所が設置されます!また一つ、新しいまちのシンボルができます。どんな風に出来上がるのか、今からとても楽しみです。

  これからの瓢箪山地域について岡本さんは、「瓢箪山地域は、古い歴史のある瓢箪山稲荷神社や昔ながらのまちなみを生かしてまちづくりができる場所です。地域のために何かをするということは、大変やし、労力のいることです。しかし、誰かがやらんとあかんと思っています」とヤル気十分。そして、「何かを実行して情報発信することで、誰かがそれを求めて商店街に来てくれる。そして、それをまた情報発信すれば、さらにいい方向につながっていける。そうやって、まちを元気にしていきたい」とまちづくりの面白さを語ってくれました。

スマイル瓢箪山がこれからどんな風に変化していくのか、近くで見守っていたいと思いました。

 

 

 (左:岡本理事長と同じくサンロード瓢箪山の松林利通さん(中央)、右:大阪商業大学の瀧本さん)

 

<インタビューを終えて>

岡本さんにひょうたんの作品の作り方につい尋ねると、出るわ出るわ知られざるひょうたんの真実の数々。ひょうたんを収穫し中身を腐らせると強烈な臭いを発するらしく、岡本さん以外は誰も近づかないのでたった一人で作業をするそうです。また、形がきれいなひょうたんは、装飾用に表面を磨いて滑らかにするそうですが、それも大変な手間と時間がかかる作業で、出来上がった作品はとても値段を付けられるものではないとおっしゃいます。そんな苦労話を楽しそうに話す岡本さんを見ていると、本当にひょうたんへの愛情が深く、知識豊富なのがよく分かります。

こうした活動に取り組んでいるからといってもすぐに商店街の売り上げにつながる訳ではないようです。でもだからこそ、誰かがやらなければ商店街を、地域を元気にすることはできないと、岡本さんは言います。

瓢箪山商店街は、全国にも珍しい国道にアーケードがかかる商店街。そうした地理的条件を生かし、古いまちなみそのままに発達してきました。最近では、30代の若手経営者がわざわざこの地を選んで店をオープンさせるなど商店街に新たな風も吹いています。そして、魅力まちづくり協議会の活動や地域通貨、オリジナルキャラクターの開発など、さまざまな動きが同時進行で進んでいる瓢箪山商店街は、まさに“進化する商店街”。今度の週末は、瓢箪山商店街においしいもの&買い物巡りに出かけませんか?

 

(キューたんステーションでくつろぐダイブツくん。もしかしたらあなたも会えるかもしれない!?)

瓢箪山まちづくり協議会のホームページ

URL:(http://hyotanyamarket.net

タッキーこと瀧本さんが毎日更新しているひょうたんやまブログ

http://hytnym.jugem.jp/