~カレーパンでまちおこしを進める熱血ものづくり社長~
「なんでやねん?カレーパンのまち東大阪」――最近よくまちのパン屋の店先で見かけるこう書かれた黄色いのぼり。カレーパンをご当地グルメに育てて地域振興を図ろうと東大阪の有志が行っているまちおこし活動の一つです。
活動を行っているのは、東大阪カレーパン会。2ヶ月に1回定例会を行い、今後の方針を話し合っています。カレーパン会は最近テレビや新聞などに取り上げられる機会が多く、みなさんもご存知かもしれません。今回は、同会会長の中西英二さんに登場してもらい、知名度抜群のカレーパン事業の紹介とまちづくりへの熱い思いをたっぷり語ってもらいました!

(左:酒井一副会長 中央:中西英二会長 右:大西由起子副会長)
<そもそもなぜ、カレーパンなの?>
東大阪市とカレーパンを結ぶもの、それはカレーとラグビーです。かつて市内御厨には、カレーで有名なハウス食品のカレー工場があり、カレーのにおいがその周辺では懐かしい風景であったことと、カレーパンの形がラグビーボールに似ていて“ラグビーのまち”を掲げる東大阪市のイメージにぴったりだったことから、カレーパンを東大阪市のご当地グルメにしてまちづくりをしようと同市の若手職員らが提案したことがきっかけです。
<華麗なるカレーパン会の歩み>
平成21年7月に東大阪商工会議所や東大阪青年会議所、市の職員らがメンバーとなって「東大阪カレーパン事業実行委員会」が発足しました。市内で自動車部品などを製造する会社を経営する中西さんはこの時実行委員長に就任。メンバーらとともに市内のパン業者に声をかけ、実行委員会への参加を要請しました。その結果、パン店4業者が実行委員会に参加してスタート。平成22年5月に行われた「市民ふれあい祭り」や同年8月の「ラグビーのまち 東大阪の夕べ」などのイベントでカレーパンを販売したところ、1000個用意したカレーパンが完売するなど、“カレーパンのまち東大阪”を宣伝する絶好の機会となりました。

(平成23年5月 ふれあい祭り)
その後本格的にパン業者の勧誘を行い、パン業者15店が加盟して平成23年1月、ついに東大阪カレーパン会(中西英二会長、平成23年8月時点で同18店)が発足したのです。発足式では、大阪樟蔭女子大学の学生がデザインしたマスコットキャラクターも登場し、市民からの公募で選ばれた愛称「ラグボー君」と「カレンちゃん」も発表されました。

(平成23年1月 東大阪カレーパン会発足式)

(世界初公開!ラグボー君とカレンちゃんのぬいぐるみ)
<さまざまな仕掛け>
カレーパン事業としての最初のイベントは、実行委員会時代の平成21年12月に行われた高校ラグビー大会でのカレーパン無料配布イベントでした。配布されたのは市内の大阪樟蔭女子大学と東大阪大学短期大学部の学生らが考案したオリジナルカレーパンで、用意した320個が40分ほどでなくなるという人気ぶりで、“カレーパンのまち東大阪”の名前を一気に広めるきっかけとなったのです。東大阪カレーパン会発足後も、マスコットキャラクターの愛称募集やカレーパン会に加盟しているパン店を写真入りで紹介したカレーパンマップの作成、のぼりとともにパン店に設置するステッカー・ホームページ作成など“カレーパンのまち”をさまざまな形で宣伝しています。

(カレーパンMAPとステッカー)
<会長もカレーパンのとりこに…>
定例会では、パン業者、会員(消費者)それぞれの立場から意見が出やすいように親しみやすい話題で場を和ませる中西会長。最初、東大阪のご当地グルメにカレーパンを、と聞いたときの印象を尋ねてみると、「僕も御厨に住んでいたから、工場の周りにカレーのにおいがするのは知ってたよ」と驚きの発言!「だから東大阪の食にカレーパンというのはなるほどと思ったし、ええPRになるなと思った」とも話され、一気に心強くなりました。会長自身、カレーパンは元々好物だったようですが、カレーパンを宣伝していくことによって、益々食べる機会が増えたと言います。会長にとって、これまでの事業で印象に残っている出来事は、大学生たちがレシピを考えてオリジナルカレーパンを作ってくれたことだと言います。「一生懸命作っている姿に、こんなにも大勢の人々が協力してくれているのだから、頑張っていかなあかんなと思った」と決意されたそうです。

(東大阪大学で行われた同大学の学生が考案したカレーパンの試食会)

(大阪樟蔭女子大学の学生が考案した4種類のカレーパン)
<カレーパン会の華麗なる未来>
「ズバリ、カレーパン会の今後の目標は?」と中西会長に尋ねると、「パン業者100店舗の加盟です」と宣言。100店舗と言えば、市内のほぼ全てのパン店舗数に匹敵します。「市内のどこのパン店でもこの黄色いのぼりを置いてもらいたい。その為には全てのパン業者さんにカレーパン会に入ってもらえるような活動がしたい」と語り、「マスコミに取り上げられ、市民に“カレーパンのまち”が浸透してきました。マスコミの反響は大きいので、取材があれば、どの加盟店でもまんべんなく取り上げてもらえるように努力したい」と、パン店のバックアップ体制も万全です。
現在カレーパン会加盟のパン店(18店舗)が登録しているカレーパンは約34種類。100店舗のパン店が加盟すれば、いったい何種類のカレーパンが食べられるのでしょうか!?今からその日がとても楽しみです。

(平成23年8月カレーパン会定例会)
<インタビューを終えて>
中西会長が会社の社長さんであると事前に聞いていたので、お会いする前は緊張していたのですが、話してみると驚くほど気さくで話しやすい方でした。取材した日のカレーパン会の定例会では、中西会長が会員やパン事業者から意見が出やすくなるよう話を振ったり、出された意見からさらに話が発展するよう応じたりすることで、活発な意見交換が行われていました。中西さんによると、定例会のメンバーらは前向きな発言が多く、和があると言います。確かに定例会に参加してみると、立場は違っても率直に意見を言い合い、みんなでカレーパンのまちづくりを進めて行こうという熱意が伝わってきました。同会では現在、カレーパン好きの市民による応援団設立と、加盟店の増加について検討中です。
カレーパンは店によって味や形がさまざま。みなさんも市内のパン店のカレーパンを食べ比べて、カレーパン会を応援しませんか?
>東大阪カレーパン会のホームページ http://www.geocities.jp/higao_curry_pan/